観る人の空想をかきたてるシャガールの絵

シャガールの絵は、他のどの画家とも違う独特の雰囲気があります。
原色はあまり使われず、彩度を落としてあるため全体的にくらい印象を与えます。
さらに、単色で描かれていることが多いため、単調なイメージを持つ方もおられるようです。
また、横顔を多用するなどして、平面的に描かれていることが多いため、平面的で奥行を感じることができません。
描かれている対象が、かなり抽象的なものが多いのも特徴です。
そのようなことは、すべて意図的に行われているのです。
文章に行間を読むという言葉がありますが、シャガールの絵はまさに行間を読むことができる絵になっています。
観る人によって、その印象が著しく違うのも行間を読むことができる絵だからです。
観る人のイマジネーションを刺激し、その世界にいざなってくれます。
行間を読むことができる方にとっては、これほどおもしろい作品はありません。
シャガールの絵を観る機会があったなら、ぜひイマジネーションの翼を広げてみてください。