シャガールほどみる方の好き嫌いがわかれる画家は他にいません。
薄明を思わせる淡い色遣いで花嫁や街角などを描いた絵は、多くのファンから愛されています。
一方、首がちぎれた絵があったり、魚が宙を飛んでいたりと、不思議な絵だ変な絵だという意見もあります。
ですが、なぜそのような絵を描いたのかを考えれば、その不思議な絵にもこれまでわからなかった意味が隠されていることがわかります。
彼は死の間際まで、ロシア的なもの、スラブ的なものを愛していました。
先にあげた首がちぎれた絵も魚が宙を飛ぶ絵も、ロシアに昔から伝わっている昔話に題材を取っています。
それがわかるだけで、これまで変だと思われていた絵が、ほのぼのとした絵に観えてきませんか。
シャガールの絵を観る前に、彼がどのような人生を生きてきたかがわかれば、きっといろいろなものが見えてくるはずです。
もちろん、かわいい素敵だと単純に鑑賞するのも良いものです。
それで、シャガールに興味を持ってくれるのなら、スタートはどこから入っても良いのです。